高麗時代末期ごろ
φ18.6cm 高さ8cm
高麗時代(918-1392年)末期ごろの鉢です。
朝鮮半島で高麗王朝が設立され、喫茶文化が最盛期を迎えた10世紀。
茶器の需要が高まった高麗では、中国宋代の越州窯の影響を受け
高麗青磁の制作が始まります。
深さはありますが、口縁が薄く優雅な形。
見込みの花文は直径4cmほどで、かなりすぼまったデザインです。

高麗時代中期には高麗青磁の技術は最高潮を迎えます。
洗練された造形、美しい釉薬・・・まさに貴族文化そのものです。
ところが末期になると作り方が大量生産のものになり
形が不揃いになり、色ムラも出てくるようになりました。

海底や土の中から掘り出されたものを発掘品と呼びます。
もちろん、伝世品と比べるとコンディションの劣化は避けようもありません。
ですが、土中で変化した釉薬のグラデーションや、石の付着が
むしろ趣を感じさせませんか?
茶の湯の文化と共に、日本にも数多く輸入された身近なものですが、
象嵌や陽刻、透かし模様などの装飾のパターンも多岐に渡り
同じものはほとんどありません。
毎度新たな出会いがあるのが高麗青磁の楽しみ方のように思います。
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ぜひご覧ください。