安南焼の染付小皿です。
安南焼とは・・・ベトナムの焼き物である安南焼(バッチャン焼)の技法の一つ。
灰色の胎土に白釉で化粧を施し、
そこに下絵をつけて透明釉をかけるのが特徴。

コバルトが墨色がかって独特の趣があります。
これは中国の青花磁器の影響を受けたものですが、
ベトナムでは良質のカオリン(カオリン鉱物を主成分とし、白色に焼き上がる粘土)が取れず、
染付の青色が映えないため、生地に白土を化粧がけしています。
しかしその白土も粒子が粗く、いくら繊細に絵付けをしても
白土に吸収されてしまいます。
また、釉薬が不純物を多く含んでいるため、透明度が低く
結果的に絵付けがぼやけてしまうのだそう。



高台の内側に見られるカイラギも目をひくポイントになっています。
(カイラギは焼成が不十分なため釉薬が溶け切らず縮れて固まったもの)

おそらく、これは茶道具ではなく日常雑器として作られたもの。
おおらかな形と絵付けのため、一見雑なものに見えますが、
縁には僅かにくびれを付けて気が利いていますし、
底部がずっしりと重く、安定感がありますので気兼ねなく使えると思います。

食卓に素朴であたたかな印象を与えてくれる一枚です。
▽オンラインショップにアップしました。
ぜひご覧ください。